GoogleAnalytics入門 with R 前編 ~GoogleAnalyticsとは~
Webアクセス解析ツール、GoogleAnalytisの紹介。
勉強会で発表したものを文字にした記事で、元のスライドはこちら。
Introduction_of_GoogleAnalytics_with_R - Speaker Deck
記事の流れは以下の通り。
1.Webアナリストとは
2.GoogleAnalyticsとは
3.BigQuery連携データの中身
4.Rで集計してみる
前編は「GoogleAnalyticsとは」まで。
導入として基本事項を整理しただけなので、GoogleAnalyticsを普段から使っている方には不要かも。
Webアナリストとは
Webサイトのアクセスデータを中心に分析を行い、企業や組織に貢献する職種のこと。
募集要項を見るとGoogleAnalyticsや、AdobeAnalytics(「AA」と呼ばれる)の経験が求められている。他にはBIツール、SQL、Webサイトのコーディングやディレクションなど。
データ分析職の中ではビジネス寄りの立ち位置で、Webサイトの構成やWebマーケティングに対する改善施策出しが職能の軸。エンジニアリングや統計解析・機械学習の知識が求められることは少ない。ただ、後述するGoogleAnalyticsのBigQuery連携の影響でSQLの経験が求められることは増えてきそう。
GoogleAnalyticsとは
Webアナリストに求められるGoogleAnalyticsとは何かというと、Googleが提供しているWebアクセス解析サービス。Urchin(アーチン)というアクセス解析サービスの運営会社をGoogleが2005年に買収し、それを元に開発されているもの。基本無料で多くの機能を備えており、多くのWebサイトで導入されている。
以下のレポートの「アクセス解析カテゴリ内シェア」では、GoogleAnalyticsのシェアが90%を超えている(Google アナリティクスとgtagを合計)。
国内約16万Webサイトで利用されているWebサービス調査(2021年5月度) | DataSign
Webサイトに設置することで、来訪したユーザーがどこからきたのか(Google検索、Yahoo!検索、SNS、外部リンクなど)、何回訪れてきてくれているのか、使用しているデバイスは何か、など様々な情報を取得できる。
Webアナリストはこのデータを活用して、Webサイトや広告の改善施策を検討検証を行う。
GoogleAnalyticsの仕組み
Webアクセス解析ツールはデータ取得方法が複数ある。大きく分けて以下の3つ。
・タグ埋め込み型(Webビーコン型)
・サーバーログ解析型
・パケットキャプチャ型
アクセス解析ツール3つのタイプ - ログ型/ビーコン(タグ)型/パケットキャプチャ型(第2回) | アクセス解析 Step by Step | Web担当者Forum
GoogleAnalyticsはタグ埋め込み型に該当し、他の方法と比較して導入の容易さがメリット。
タグ埋め込み型におけるデータなどの流れは以下の図のようになる。
①計測タグ設置
分析者などが対象となるWebサイトに計測タグを設置する。設置されて初めて計測が始まるので過去分のデータは取得できない。計測タグ自体はJavaScriptで記述されており、GoogleAnalyticsの管理画面で発行される。設置箇所は<head>の直後が推奨されている。
②リクエスト
設置された後にユーザーからHTTPリクエストがWebサイトに送られる。
③レスポンス(+計測タグ)
Webサーバからコンテンツと共に、計測タグがユーザーのブラウザに送られてくる。
④データ送信
JavaScriptの計測タグがユーザーのブラウザ上で動作し、Web上での行動データがGoogleが持つGoogleAnalyticsサーバに送信される。
⑤集計データ
GoogleAnalyticsサーバなどで集計されたデータがGoogleAnalyticsのGUIに反映される。あくまでこれはrawデータから集計されたもの。
⑥rawデータ
後述する「BigQueryのリンク設定」を有効にすることでrawデータが自身のBigQueryに送られてくる。
次回の記事はこのBigQueryに連携されるデータについて。